こんなの知らない!

 視界がちかちかと明滅する。体の動きは自分で制御できず、頭の中は真っ白になる。自分が自分でないような気がしてくる。ふっと意識を手放しそうになると、それを引き戻すように後ろからぎゅっと抱きすくめられる。ちらりとその人の顔を見上げれば、シトリンのように黄色い目が、情欲にまみれたままこちらを見つめている。いつもだったらキラキラと光っているはずの目が今はどろどろに溶けて、その目の持ち主がオスであることを如実に表している。私は、この人のこんな目を知らない。なんでこんなことになったんだっけ。頭を無理やり働かせて、記憶を遡る。

「今日も俺の部屋さ、来る?」

 にへへ、と笑いながらスグリに問いかけられたのは、放課後のリーグ部の部室だった。スグリと私は1ヶ月ほど前からお付き合いを始めた。リーグ部で仲の良い面々――ゼイユやブルベリーグ四天王のみんな――には私たちの醸し出す空気が甘いとかなんとかで早々に付き合っていることがバレてしまい、今は生温かく見守られている。

「直球で誘うなんて元チャンピオンは大胆だねぃ。ま、くれぐれも他の人に見つからないように気ぃつけてな」

 スグリの問いかけを近くで聞いていたカキツバタ先輩に釘を刺される。

「そんなこと、言われんでも分かってる」

「スグリとは一緒にバトルの戦略を考えるだけですから、大丈夫ですよ」

 眉間に皺を寄せて敵意をあらわにするスグリと、苦笑いしながら言葉を返す私。そうかいそうかい、とからかうようにへらりと返される。相変わらずつかみ所がない先輩だ。

「じゃ、夕飯を済ませたら俺の部屋に集合な」

「うん!」

 異性の部屋へ行くということに対して、もっと警戒すべきだと言う人もいるだろう。しかしスグリと私は付き合って1ヶ月経っても、手を繋ぐことすらままならないほどだ。勇気を出して手を繋いでみても、すぐにどちらのものか分からない手汗でいっぱいになって、どちらともなくごめんね、と手を離してしまう。そんな関係だから、彼の部屋へ行っても間違いは起こりようもない。実際、今まで何度か部屋にお邪魔したことはあるが、毎回ミックスオレなんかを飲みながらああでもないこうでもないとバトルの話に終始するだけだ。
 正直な心の内を明かせば、本当はもっと触れ合いたいし、少女漫画のようなときめくキスにも憧れる。欲を言えば、もっと……その先だってしてみたい。そんなことを想像して体の下の方が疼き、その……手が伸びてしまう夜もある。けれど、お互い初彼氏・初彼女なので、自分たちのペースでゆっくり進んでいこうね、という約束をしている。

 食堂で手早く夕食を済ませ、こっそりと男子寮へと歩みを進める。この時間の男子寮は、同じように男子生徒との逢瀬のためにやってきたであろう女子とすれ違うこともある。言葉を交わすことはないが、なんだかお互いに言い知れぬ秘密を抱えているようでちょっぴり胸騒ぎがする。

「スグリ、来たよー」

「ん、今開けるな」

 いらっしゃい、と迎えてくれたスグリはお風呂上がりだったようで、パジャマ代わりのジャージに身を包んでいた。下ろした髪の隙間からうなじのほくろが見えて、それがなんだかたまらなくセクシーに思えてどきっとする。……こんなに意識しているの、私だけなのかな。少しだけ切ない気持ちになりながら、隣り合ってベッドに腰掛ける。スグリはいつものようにバトルの話をしたくてうずうずしているといった様子だ。

「なぁ、今日のアオイとタロ先輩のバトル動画さ見せて」

「……う、うん、今出すね」

 どこに入ってたかな、と探していると、スグリがぽつりとつぶやいた。

「アオイ、もしかして何か無理してね」

「えー? 何も無理なんてしてないよ」

「そんならいいけど、何かあったなら隠さず言ってな? 俺、一応アオイの彼氏だし……アオイの力になりたい」

 私の力になりたい、という言葉に、気持ちを正直に伝えるべきか逡巡する。「伝える」「伝えない」というゲームのコマンドが私の目の前に現れているようだ。もうスグリに隠し事をしたくないという思いもあるし、ここは少しだけ、勇気を出して「伝える」を選んでみよう。

「ごめん、スグリ。私、本当はスグリに言いたいことがあるの」

「ん? 何だべ」

 私を不安にさせないようにか、優しく笑うスグリ。その笑顔を見てしまうと、こんなふしだらな思いをぶつけるのは、やっぱり罪悪感がある。出そうと思った勇気がしゅるしゅると引っ込んでいく。

「や、やっぱなし! ごめん、バトル動画見よ!」

「いーや、アオイが言うまでバトルどころじゃね」

 やわらかな笑みから一転、真剣な表情になってぐい、と顔を近付けてくるスグリ。鋭い目に射竦められて、私は観念する。

「……私が何言っても引かない?」

「引くわけね。聞かせて?」

「あ、あのね、スグリの部屋に何回か来てるけど、全然そ、そういう雰囲気? にならないなって思ってて」

「……」

「だから、も、もうちょっとスグリと……触れ合ったりしたい、です」

 もういやだ、恥ずかしさのあまり言葉が尻すぼみになってしまった。まともにスグリの顔が見られないでいると、急に両手首がぎゅっと握られる。

「ごめんな、アオイにそんな思いさせてるとは思わなんで。あんまりぐいぐい距離縮めて、嫌われたくなくて」

「きっ、嫌うわけないでしょ!」

「にへへ……んだば、アオイは俺とどんなことさしたいのか教えて?」

 んん? 何だかすごく恥ずかしいことを聞かれている気がする。でもこうなればままよ、と自分の願望を素直に口に出してみる。

「だ、抱きしめてほしい、です」

「ん? こう?」

 スグリがぎゅっと強く抱きしめてくる。お風呂上がりの体はあったかくて、ボディソープとスグリの匂いが混ざった匂いを嗅げばくらくらしそうだ。立っていると私とそんなに変わらない背丈に見えるスグリだけど、抱きしめられると彼の腕の中にすっぽりと収まってしまう。男の子なんだ、と否応なく意識してしまって、心臓が早鐘を打つ。

「あとは?」

「あ、あとは……キキ、キス、してほしい、です……」

 スグリと私の体の間にこぶしひとつぶんくらいの隙間が空いたと思ったら、すぐに頭をぐいと引き寄せられる。唇にやわらかいものが当たって、あ、私、いま本当にスグリとキスしてるんだ、と実感する。唇の感触に集中したくて目を閉じる。このままずっと離れたくない、と思った。

「あとは、どんなことしたい?」

 どれだけ長い時間口付けていただろう。息が苦しくなった頃に、名残惜しそうに(私がそう思っているだけかもしれないけれど)唇を離したスグリに尋ねられる。正直、今日だけでここまで進むと思っていなかったのでもういっぱいいっぱいだ。

「も、もう満足した! わがまま聞いてくれてありがとうね」

「本当に?」

 訝るスグリの声にこくこくとうなずいて笑顔を作る。これ以上のことを想像したこともあるけれど、さすがにそこまでは、ね。まだ学生なんだし。

「じゃあ、今度は俺がしてほしいことさ聞いてもらっていい?」

 いつもと違う、やけに艶っぽい声で囁かれて背中がぞくりとする。言葉は疑問形だが、嫌とは言わせない雰囲気を漂わせている。視線を交わせば、なんだか目が据わっているようにも見える。どろりとした瞳に見つめられて、喉がひゅ、と鳴るのが分かった。

「アオイが俺と触れ合うことを想像して、どういうことさしてるのか見たい」

「ど、どういうこと……って?」

 消灯時間を過ぎた部屋で、下半身に手を伸ばす自分の痴態を想像してしまって、顔がぶわっと熱くなる。あまりの爆弾発言に固まって動けないでいると、ぷっとスグリが吹き出す。

「んふふ、分かりやすすぎんべ。こんなに赤くなって固まってるってことは、やっぱりそういうこと、してるんだな?」

「……やだもう! スグリの変態! ばか!」

 ぽかぽかとスグリの胸板を叩くが、すぐにその手は彼の手によって捕らえられる。

「じゃ、見して?」

「な、なんでよぉ……」

「その、将来えっちさするときに、アオイの……女の子の体のこと分かってなくて傷つけるのが怖いんだ。だから、アオイがひとりでしてるところ、見て勉強したい」

 もっともらしいことを言いながら、ぎらりとした目で迫ってくスグリに押され、私はついうなずいてしまったのだった。

  ひとつ深呼吸をし、意を決して制服のズボンを脱ぐ。「あんまり見ないで」とお願いしたが何の効果もなく、まとわりつくような目線で一部始終をじっと見られていた。ベッドの上で壁を背にして体育座りのような姿勢になり、そのまま足をそろそろと開く。スグリもベッドに上って、私のパンツを凝視していた。あまりの恥ずかしさに目をぎゅっとつぶって、ここはいつもの自分の部屋、誰も見ていない、と自己暗示をかけようとするが、嗅覚は自分の部屋にはない、スグリの匂いを鋭敏に感じ取ってしまう。

 スグリの要望を承諾してしまったのは私だし、今さらできないとは言わない。言わないけれど、これはあまりにもおかしいのではないか? さっき初めて抱きしめてもらって、初めてキスしてもらったばかりなのに。

「っ……」

 覚悟を決めて、そっと秘部に手を伸ばす。いつもだったらすぐに直接触ってしまうけど、見られるのが恥ずかしいという気持ちが働いて、白い下着越しに自分の突起をすり♡と撫でる。早く終わらせてしまいたくて、集中的にそこを刺激する。くに♡くに♡と指を動かし続けていたら、なんだか頭がぽわぽわとしてきた。よかった、すぐ終わりそう、と思ったとき、「わやじゃ……」というスグリの独り言のような声が聞こえてきて、ふっと意識が現実に戻る。

「やっ、あんまり見ないでってば!」

「そんなん無理だべ……好きな子が、俺の前でこんなことしてくれてんのに」

 気にしてはダメだ、早くイくためにえっちなことを考えなくちゃ……と思っても、なぜかスグリのことばかり考えてしまう。うなじのほくろがセクシーだったな、とか、このまましてたらもしかして襲われちゃったりして……とか。こっそり見たことがあるAVやえっちなマンガを思い出そうとしても、全部スグリに塗りつぶされていく。

「ん……♡」

 くに♡くに♡くに♡くに♡くに♡くに♡

 あっ♡クリトリスおっきくなってる♡パンツ越しでもわかる♡こんなにおっきくなってたら絶対クリが勃起してるのバレちゃってる♡穴の入り口もひくひくしてえっちなお汁でてる♡こわくてさわったことないけど、穴のなかもきもちいいのかな……♡

「んゃっ……ふっ♡」

 ぐりぐり……っ♡ぐりぐり……っ♡ぐりぐり……っ♡

 おっきくなったクリを乱暴になでるのきもちい♡夢中になっちゃう♡ここ、スグリの指でいじられたらどうなっちゃうのかな♡ここだけじゃなくて、穴もいじめられちゃったりして……♡じゅぶじゅぶ♡って恥ずかしいほどえっちな音立てながら指を出し入れされて♡とろとろになったら今度はかたいおちんちんがずぷぷ♡って入ってきて♡そのままどちゅどちゅ♡って乱暴に奥を突かれて♡

「あっ……しゅぐりぃ……っ♡♡」

「っ……!」

 やば♡名前呼んじゃった♡ぜったいスグリをおかずにオナニーしてるのバレちゃった♡どうしよ♡興奮する♡あ♡だめだめ♡イきそう♡こんなの絶対イっちゃう♡イく♡イく♡イく♡♡♡

「んんっ、はぁっ……♡♡♡」

 体がびくびく、と跳ねて果てた。上がった息がだんだんと落ち着いていくと、ぐちゃぐちゃになって意味を成していないパンツが、おまんこにぴとっ♡と張り付いて冷たくなっているのを感じた。

「も、これでいい……?♡」

「……」

 オナニーが終わっても、スグリは私のパンツから目を逸らしていなかった。パンツの下も見透かすようなまっすぐな視線に、私のそこがずくん、と疼く。いつもだったら1回したら終わるのに、今日はもっともっと、とおまんこが快感をせがんでくる♡でも2回目なんて始めたら今度こそ本当に変態だって思われちゃう♡我慢しないと♡

「わやえっちじゃ……でもその、パンツ取ってしてるのも見たい」

「え?」

「だってこれじゃあ、アオイの女の子の部分が見えね」

 ふーっ♡ふーっ♡と興奮した息を漏らすスグリの大胆なお願い。ぎらついた目で私を凝視する獣のような姿を見て、また興奮が呼び起こされてしまう。私は、自分でもびっくりするような甘い声で「もう♡」と囁き、ゆっくりとパンツを下ろした。何よりもう1回したかったし♡

 再びベッドの上にすとんと座り、やにわに愛液を指で掬い取ってクリトリスにぬりゅ♡と塗りつける。そしてそのまま指をぐりぐり♡と押し付けるように刺激すれば、甘くびりびりする快感が背中を駆け上がっていく。

「穴っこは触らんの?」

 ふいに漏れたスグリの言葉に答える。もちろん、その間もにゅち♡にゅち♡といやらしい音を立てながら動く指先を止めることはない。

「中は……あっ♡ちょっとこわくて♡さわったことないの♡」

 ぐにぐに……♡ぐにぐに……♡

 ずり……っ♡ずり……っ♡ずりゅずりゅ……♡

 はぁっ♡だめ♡だめだめ♡2回目すぐイっちゃう♡1回イってイキ癖ついちゃった雑魚クリ♡ぐにぐにするのやめらんない♡きもちいー……♡♡

「ふぅ……んっ♡♡」

 このまましてたらぜったいまたイく♡すぐイっちゃう♡あっ♡やばい♡イきそう♡イきそう♡イく♡♡♡

 上ってくる快感に夢中になっていたら、突然ぱしっ、とクリトリスをいじっている手を掴まれた。なんで、今イけそうだったのに♡寸止めなんてひどい♡という思いでスグリをにらみつける。しかし目が快感でとろとろになってしてしまっていて、ただの物欲しげな顔になってしまっているだけだと自分でも分かった。

「もう我慢できね。アオイが触ったことないとこ、俺に触らせて?」

 言うが早いか、抱きすくめられたかと思うとそのまま体を180度回転させられて、スグリの体に背中を預けたまま、足をぱっかりと開いている姿勢になる。へ? とあっけに取られるが、瞬間、背中に固いものが当たって、私で興奮してくれてるんだ♡というメスとしての悦びに震える。

「まずはアオイのお気に入りんとこでちゃんとイっとこうな」

スグリのかさついた指が、私のクリトリスをくちゅり♡と撫でる。

「やぁ……だめ♡だめっ♡」

 与えられる快感がこわくて身じろぎしてみても、スグリの力で抑えつけられた体はびくともしなかった。

 自分で触るのとは全然違った、遠慮のない触り方でもクリトリスはしっかり快感を拾ってしまう。

 にゅこ……♡にゅこ……♡にゅちゅっ♡

えっちな音が絶え間なく響いて、中からはどんどんお汁が流れ出てくる。

「も、やだ、イく♡イくからっ♡ゆびとめて♡ね、おねがい♡」

 にゅち♡にゅち♡にゅち♡にゅち♡にゅち♡にゅち♡

 必死のお願いも聞き入れられることなく、強めの刺激を受けながらあっという間にイってしまった。

 私の体が一度びくん、と跳ねたから、イってしまったことはスグリにも伝わっているはずなのに、一向に刺激をやめてもらえない。

「あっ♡ね、イったからぁっ……♡も、ほんとにむり♡」

「ここ、こんな固くなるんだべな……ちんぽみたい」

 私の言葉なんて聞こえなかったかのように、クリトリスをこねこね♡し続けるスグリ。ふと、クリトリスの下? 裏? ……とにかく、普段自分では触らない場所に指が掠った。

「い゛ぃっ……!?♡♡」

「はは、何だべ今の声。気持ち良かった?」

 ほれ、と容赦なくもう一度そこを撫でられる。どうしよう♡こんなの知らない♡あたまびりびりすゆ♡♡♡おんなのこって、おとこのこのまえだとこんなによわいんだ……♡

 ずり……♡ずり……♡ずり……♡ずり……♡ずり……♡

 何度もスグリの指がそこを往復して、そのたびに強烈な快感が押し寄せる。もうやめて、って言いたいのにうまく言葉にならない。頭が快感でふわふわして、視界が涙で滲む。それにも関わらずおまんこはとぷとぷ♡と愛液を垂れ流し続ける。

「アオイ、顔真っ赤……そんなに気持ち良くなってくれてんの、わや嬉しい」

 弱点剥き出しのよわよわクリ♡スグリの手でにゅるにゅる♡よしよし♡されるのぎもちい゛ぃっ♡こんな、男の人がおちんちんしこしこ♡するみたいなつよ~いさわりかた♡だめ♡覚えたら戻れなくなっちゃう♡あっ♡またイく♡イくの止まらない♡もうイきたくないのに゛ぃっ♡♡♡

「お゛ぉっ……♡♡♡」

 女の子が出しちゃいけないはしたない声を上げ、これまででいちばん深い絶頂を迎える。反射的に大きく背中が反ると、ようやくスグリの手が止まった。

「にへへ、いーっぱいイけて気持ちいいな?」

「も゛っ、やめ……♡♡」

 息も絶え絶えになりながら懇願すると、手がクリトリスから離される。ようやく終わった、と思ってふーっ♡と絶頂の余韻を逃がしていると、今度はくぱくぱ♡と収縮を繰り返す穴に中指をつぷ♡と差し込まれる。

「えっ、にゃんで……♡」

「アオイが触ったことないとこ触らせて、って言ったべ」

 やさしくするから、という言葉とともに指がくぷくぷ♡とゆっくり奥へ入っていく。

 やだやだやだ♡こわいっ♡自分でもさわったことないところ♡スグリにさわられてる♡♡♡こんなのだめなのにっ♡♡♡

 思わず腰を引こうとすれば、いやらしく腰をくねらせているような動きになってしまう。それがまた恥ずかしくて、手で顔を覆う。

「や゛だっ……こわいよ、しゅぐりぃ……」

「ん、じゃあこうしてみる?」

 その瞬間、親指でぐりっ♡とクリトリスをこねられる。ぞくぞくぞく♡という快感が走ると同時に、スグリの中指をぎゅむぎゅむ♡と締め付けてしまうのが分かる。2点を同時にいじられて、あまりの気持ち良さに意識がトびそうになる。

「は、指ぜんぶ入った」

 気が付けば、私の穴はスグリの指の根元まで飲み込んでしまっていた。次の瞬間、遠慮のない抽挿が始まった。

 じゅぽっ♡じゅぽっ♡じゅぽっ♡じゅぽっ♡

 ぐちゅ♡ぐちゅ♡ぐちゅ♡ぐちゅん♡

 激しく出し入れされているのを、顔を覆った指の隙間から覗き見る。自分の体なのに自分の体じゃないみたいだ。

「あ゛ぁっ……!?♡♡♡」

 中のとある場所をぐいっ♡と押された瞬間、猛烈な快感がびりりと駆け巡り、きゅんきゅん♡と中が収縮する。

 なにこれ♡こわい♡こわいけどきもちいい♡こんなのおぼえたらもどれなくなゆ♡♡♡

「アオイの中、すごいうねってる。気持ちい?」

 はくはく、と呼吸をするのに精一杯でスグリの質問に答えることができない。その間も中はぐにぐに♡と動いて、口より正直に答えてしまっている。きもちいい♡しか考えられなくなっていたおばかな頭に、ふと嫌な予感が過る。

「すぐり、手とめてぇ……♡なんか、でちゃうっ♡♡」

「ん?」

 ちゅぽっ♡という音とともにスグリの指が引き抜かれた、その瞬間。

――しょわ〜……♡

「や、やだぁ♡すぐりのべっどにおしっこもらしちゃった……」

「これ、おしっこじゃね。潮っていうんだ」

「すぐり、くわしい……」

「まぁ、そういう本とか見たこと、あるし」

 はーっ♡はーっ♡と荒い呼吸をしながら、ぐったりとスグリに体を預ける。さっきから、自分の体なのに自分じゃないような気がしてこわいけど、スグリにならもう何をされてもいい♡という気持ちになっていた。

「よくがんばったな」

 スグリの顔を見上げれば、完全にオスの顔になっていた。あ、これからきっとえっちまでして♡スグリのメスにされちゃうんだ♡と思ったらまたこぷり♡とえっちなお汁が出てくるようだった。

「んだば、服着てな? 下丸出しで寒かったべ」

「えっ、その……えっちは、しないの?」

 ベッドから下りようとするスグリのパーカーの裾をきゅっと掴み、思わず直球で聞いてしまった。スグリはぽかんとした顔を浮かべている。あれ?

「ええええっちはさすがにまだ早いべ!?」

「ここまでしておいて!?」

「んでも、えっちは赤ちゃんできちゃうかもしれないし、アオイに負担かけたくね」

 避妊というものを知らないのだろうか。いやでも、確かに完全に成功するとも限らないらしいし……とうんうん考えていると、スグリが身を屈めて私と目を合わせてくれる。

「でも、アオイがそこまで俺に許してくれるの、わや嬉しい」

「……スグリになら、何されてもいいもん」

 あ〜、俺の彼女めんこすぎんべ! と抱きしめられる。今日初めて抱きしめられたのが嘘みたいに、そうされるのがごくごく自然なことのような気がした。

「んだば、またアオイが1人でしてるとこ、見せてな?」

 耳元でそう囁かれる。「それは絶対にいや!」と大声で言いながら、スグリを抱き返した。

error: